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森の中のシェパード 2012/3/18

私の家は森の入り口にあります。
森をずんずんと入って行くと、さほど高くはありませんが山へと続き、そしてその山の峰には気持ちのいい道が果てしなく続いています。

犬とともにアウトドアを存分に楽しみたい人間にとっては、目の前に軽くトレッキングが出来る絶好の環境が広がっているわけで、この私も猟期(11月15日から2月15日まで)とスズメバチ、蝮やヤマカガシ等の毒蛇が跋扈する時期をはずして、森と山をウパースとともに冒険と称して歩き回ることは申すまでもありません。

ウパースの誕生する以前に私のかつての相棒であった二頭の親子のシェパード、

            バルト(息子) と ウッシー(母) とも

大手鞠の下のバルトとウッシー


特に2月から4月まではほぼ毎日のように散歩ではなく森や山へ遊びに行ったものです。

それは、ただ単に楽しいからと言う理由だけではなく、
 
まず第一に、起伏に富んだ地形を自由に駆け回り、飛んだり跳ねたりすることで、基礎体力が増加することを期待していること。
  
第二に、自由行動をさせた時にどんな時でも私が呼べば必ず手元に帰って来るように習慣付けること。
そのために、必ず私のポケットやポシェットにはウパースのおやつが忍ばせてあります。
ある時はダイスに刻んだ食パンだったり、ある時は茹でて小さく刻んだ砂肝やレバー等のお肉だったり、ある時はリンゴやバナナを刻んだものだったり、その時々に家にある嗜好性の高い食材を選んで持って行きます。
自然の中で自由に駆け巡れば大抵の仔は嬉しくなって興奮状態になるもの。
そんな時、私の
  
          「ウパース !  おいで~~!」

の声ですぐさま私の元へ戻ってくれば、美味しくって大好きなおやつがひとかけら口の中にほり込まれますから、彼は必ず戻ってきます。

この二つのことを考えつつ、我も彼も存分に森林浴をしてくるのです。
ま、尤も、この時期は同時に花粉浴もしてしまいますがね・・・


動画  森の中のシェパード1
    森の中 : この辺りは杉や檜が植林されてあるが、今や誰かが手入れしてるようには見受けられない

動画  森の中のシェパード2
    山から下り帰る途中、体が熱いんでしょうね、まだ三月だと言うのに沢に浸かるウパース君


昨年のこの時期、ウパースはまだ一歳に満たない月齢で、森で自由行動を取らせると、時々私の指示をわざと無視するかのようにもうメチャクチャにふざけて手に負えないことも正直言って何度かありました。
けれど、今年は呼べば必ず指示通り戻ってくることができるようになりました。

かつて私の相棒バルトやウッシーも必ず戻って来ていましたが、たった一度だけ、

    「あんたたち、長きに渡って施された最高の訓練はどこへいってしまったの~~」 

と嘆きたくなるように、きっぱりと私の呼びを無視して、森の奥深く、山頂の果てまで爆走して行ったことがありましたっけ・・・。
親子二人、見事に結託して!
それは、森の中で沢遊びをしている時、突然、大きくて若いイノシシにばったりと遭遇してしまったからなのです。その瞬間、間髪入れずに二人とも猛烈なスピードで森の奥へと消えて行きました。
そのイノシシを追い詰めて森から山中へと小一時間に渡り、猛烈に走りぬいたのです。
山の中に響き渡る二人の凄まじい叫び声からイノシシを何度か追い詰めているのだと察することが出来ましたが、その行動範囲はとてもとてもヒトの足で追いつくものではありませんから、私はただ山の麓で二人の吼え声が移動する方向に車で移動することしか出来ませんでした。
イノシシにやられたらどうしよう、傷を負ったらどうしよう、とオタオタ、ハラハラし、泣きそうになりながら二人を呼び続けておりましたら、夕闇にまぎれ、非常に冷静な顔をしてバルトが、そしてちょっと後から疲れたけれど存分にお転婆を発揮して満足気な表情でウッシーが戻ってきた時には、泣きそうどころではなく、二人の大きな首を両腕で抱きしめて安心してハラハラと泣いてしまいました

そうです・・・。ですから、どんなに訓練が入っていても、状況によっては頭から訓練の二文字がポロッと転げ落ちることがあるんですね・・・。

それから、ウパースのことに話を戻すと、昨年は既に随分大きく成長してはいましたが、体が十分に出来上がってはいなかったのでしょう。森の倒木を飛び越えたり山の急な斜面を駆け上がったりする時、今年の彼の動きには目を見張るほどの力強さとしなやかさがあり、体が充実してきているのがよくわかります。

  今まで私の相棒であったバルトやウッシー、
  そして現在の相棒であるウパース、
  これらの犬たちが体中で嬉しさを表現し、
  命を輝かせながら森の中を走りぬける時、

  必ず私は思います。

     シェパードとはなんと強靭で優美な生き物であるか
   と



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